あれから11年の歳月が過ぎた
俺はまた実家がある田舎に
訪れていた


「パパー誰のお墓に行くの???」

「春音( ハルネ )、ここのお墓には
パパの大切な人がいるの
私達はその方に御挨拶しに来たのよ」


6年ぶりきたお墓は
相変わらず綺麗で可愛いお花が添えてあった


「九音ちゃん…やっと会えたね
彼女は俺が君と同じように愛した人なんだ
娘の春音も大好きだ

春音、九音ちゃんに御挨拶して。
彼女は俺の初恋の人なんだよ」


「はつこい?」

春音は頭に?を浮かべて
俺を見ている


「春音にもきっとわかる日が来るわ
春音はパパのこと好き?」


「うん!だーぃすき!」

「ママもね、パパと春音が だーい好きよ

初めまして。天宮 九音さん
私は皐月さんの妻になった
相田 愛未( アイダ マナミ )です

私は皐月さんを心から愛しています
優しくて頼りになって
初恋である貴方をずっと好きでいるんです

私は皐月さんが貴方を好きでも構いません
私は私の愛で皐月さんを支えます」


愛未は春音の手を握り
力強く語った
俺は心が暖かくなった

3人で拝んで帰ろうとした
その時風が木々を揺らした

その風に流れ微かに聞こえた

『幸せになってくれてありがとう。
さよなら さっちゃん』


俺は静かに涙が頬を伝った
俺は後ろを振り向き

「ありがとう。俺の初恋の人―」


それからは毎年3人でお墓参りに行く
きっと何処がで九音ちゃんが
見ている事を願って―