九音ちゃんの手紙が俺の涙で滲んだ
声を押し殺してずっとずっと泣いていた
おばさんの目にも涙が浮かんでいた
「おばさん…この手紙預かっても
いいですか?」
「もちろんよ。貴方に持っていて欲しいわ」
俺はその手紙を何度も読み返し
ポケットに入れた
俺は九音ちゃんの家を出て
またお墓にいった
「九音ちゃん…手紙読んだよ
久しぶりに九音ちゃんの思いが
聞けて良かったよ
俺もね楽しかったよ
九音ちゃんと過ごした大切な日々がね
今も時々思い出す
あーぁ女の子に先に告白されちゃ
男としての立場がないや」
話す度に涙が溢れる
「俺も九音ちゃんが大好きだったよ
初恋だった。今も好き
でも九音ちゃんの願いなら
俺は少しの間だけ君を忘れます
君が俺の幸せを願ってくれるのなら
俺はそれに応えたい
だから次は俺が君くらい大切な人を
連れて、ここに来るよ。待ってて。」
そして数日
俺は実家を離れた