弱虫なボク~先生と生徒の距離~

そのまま、僕は寝てしまっていたんだろうか…


ソファーにうずめていたはずの顔が、仰向けになっていた。


ーチッ、チッ、チッ、ー



時計の音は、変わらず静かに音を鳴らす。



一度、大きな伸びをして僕は半分寝ぼけながら出入り口の上の時計に目をやった。


「なんだ…」


1時間ほど寝ていただけで、まだ母さんも帰ってはいなかった。



もう一度、大きな伸びと欠伸が自然に出ると、僕はキッチンへ飲み物を取りに行った。


喉が異様に乾き、冷蔵庫の中に何かないか探す為に。



時間は午前10時前


普段なら居るはずがない時間帯。


冷蔵庫から牛乳を取り出し、それを飲みながら改めて違和感を感じた。