弱虫なボク~先生と生徒の距離~

家の中に戻ると、リビングに置いてある、僕より少し大きい柔らかいソファーに飛び込んだ。


ソファーに顔をうずめて瞳を閉じると、頭の中で、ある人の顔が浮かんできた。


「先生…」


病気でもないのに休むのは初めて、高校3年になってからは休んだ事なんて無い。


先生と会う為、多少熱があっても無理して学校に行っていた。


出入り口のドアの上の白い壁に付けられた青い縁の時計が



ーチッ、チッ、チッ、ー



平日の午前中に、静かに音を鳴らす。