弱虫なボク~先生と生徒の距離~

外へ出ると、空は青く澄み渡って、太陽は綺麗に輝く。


鳥は自由に空を舞って、疲れたらどこかに止まる。


僕に、羽が、翼があったなら、どこまでも飛んで行き、疲れた時は、寿美子先生の肩で……


「何考えてんだ!」


空を見上げていた頭をコンクリートの地面に向けて、力いっぱい頭を横に振った。



ちょうどその時、タクシーが一台、僕の前で停まった。


タクシーを確認すると、慌てて家の中に戻り、母さんを支えながらタクシーに乗せた。



タクシーの姿が消えるまで、僕はずっと見つめていた。


逃げてばかりの僕は付き添う事もできず、『見守る』という事を選択してしまった。