弱虫なボク~先生と生徒の距離~

苦しさがピークに達し始めた頃


何も言わない僕に痺れを切らしたのか、ハァ~と小さく溜め息をこぼし


机に右肘をつけ、右頬に手をあてて僕の顔を見てニコっと


急に笑みを浮かべた。


さっきまでは、口を尖らせ、ただ何も言わずに


ボケーッと僕の答えを待っていた。



「井手君、そんなに険しい顔をして悩まないでよ」


悩んでる僕の顔に笑ったんですか?


「別に…」


別に、と言い終えた後、先生は、またニコっと目尻を下げて笑った。


「別に…じゃないでしょ?別にじゃ~」


僕の真似をしたのか、普段より低めな声で先生はピンクの唇を動かし


気づけば、僕の顔は自然と……