弱虫なボク~先生と生徒の距離~

「井手君は…」


もう、それ以上何も言わないで下さい。


尋問に似た質問の連続に、僕の心臓は耐えきれるのか心配になる。


しかし、先生の唇は次の言葉を発しようと動きを止めない。



「井手君は、確かに周りのクラスメートを信用とか仲間だと思ってないかもしれない。
でも…ね、井手君は、関わろうとか一切しなかったでしょ?
相手にもしなかったでしょ?」



確かに…先生の言う通りだ。僕は、一切関わろうとはせずに、


ただの雑音としか思っていなかったのは事実。


「なのに…今日はどうして?」


ど・う・し・て?


僕は、先生の問いかけに答える事ができず、

机の引きずったような汚れた跡がついた床に視線を落とし


俯く事しかできなかった。