弱虫なボク~先生と生徒の距離~

しかし、その行動や言動が裏目に出てしまった。


立ったままの先生は、肩にかかる黒く長い髪を払いのけ


僕の目の前に座り、キレイなピンクで染められた唇を閉ざして


僕の表情を


動揺している表情を少し眺めると


「何を隠してるの?先生には言えない事?」



「別に…何も隠してなんかいませんよ」


先生が喋ると、どんどん動揺が顔や声に表れていく。


いつも言い慣れた、冷たく吐く『別に』の言葉ですら、変に上擦った声に…


熱くもない、少し肌寒いぐらいの部屋なのに、手にジワリと変な汗が滲んできた。