弱虫なボク~先生と生徒の距離~

カーテンが開けられた窓から、もう青さがなく


オレンジから、闇へと移り変わろうとしている光景が映った。


「井手君って、ケンカ強いんだね」



外の風景に気をとられている時に、先生からの思いがけない言葉


先生の顔をまともに見れない僕は、チラッとだけ、一瞬だけ先生の方へ目を動かすと


なぜか、先生が笑っていたような気がした。


一瞬だけしか見てないから、笑っていたかは分からないけど、


「強い…かは分かりません」


この先生の問いかけに、何か緊張の糸が切れたのか。


肩に入っていた変な力は、穴が空いたビーチボールのようにプシューと抜けていった。


これは、先生なりの優しさ?の形なのか…