弱虫なボク~先生と生徒の距離~

「じゃあ、3組は…合唱で良いですか?」


高田香奈は、少し声を弾ませて皆に問いかけると、


クラスメート全員が、ハイ!!と、高田香奈に負けないぐらいに声を弾ませて答えた。


「じゃあ、決まりです。曲目は、各自の案を出し合って決めて行きましょう。」


文化祭でする事が決まると、クラスメート達は教室を出て帰って行く。


さっきまでのガヤガヤが嘘みたいに、静まり返った教室。


静まり返った教室に取り残されたのは、おそらく一番早く帰りたかった僕と、


黒板に寂しく細々とした字で書かれた、『合唱』の2文字。

僕は、その2文字の言葉を消す為に、
鞄を肩に掛けて、黒板に向かった。