少しイライラが混じり声が低くなる。
彼女は俺に気づくと振り返る。
「あ、璃玖斗くんおかえり」
いつも通り笑顔で話す彼女を見て少し拍子抜けになる。
全く、彼女は俺の気持ちなんて知らずに警戒心がないんだ……
呆れていた時、彼女の手元に目がいく。
コンビニで買った物だろう、袋を彼女の手から取り中身を見る。
中には1リットルの飲み物が2つ。
こんな重いものを1人で持っていたのか。
彼女の指が少し赤くなっていた。
これ以上持たせたくなかった俺はそのまま彼女に袋を返さなかった。
彼女を見ると少し微笑んでいた。
嬉しそうな顔だ。
それを見て俺もつられてにやけそうになるが我慢した。