君の一番になりたい

昼休み、ダッシュで購買に向かう。

美香のお菓子、勝手に食べたから…美香がふごーくお怒りなのです…。

それで、美香の大好物のメロンパンをおごることに…。


やばいぞ…。

あの美香の怒り方はやばい…。

急ごう。うん。






「由宇ちゃ〜ん!いいじゃん♡彼氏いないんでしょ??」

「やめてっ…さわんないで…」

「可愛い〜」


非常階段の方で、人の声がする。

しかもこの声って…。



購買から、方向転換して、無意識にあたしは声の方に向かってた。









「デートしよーよ!ねっ?」

「俺ら、結構モテんだよ?!いいじゃん〜」


そこには、男子二人に囲まれた、由宇先輩がいた。

すごく嫌そうな顔してる。



「本当にやめて…怖い…」

「もう〜可愛いなぁ〜♡」


あの人たち…嫌そうな顔してるのがわかんないの?!

あ〜もう!!!







「やめろ」




あたしが飛び出そうとした時、あたしより先に前に出た人がいた。



「マジ、ダサすぎだから。自分でモテるとか言う奴がモテるわけねぇだろ。カス」




なんで?!

なんで…ここにいるの…。




「あ?うるせーな。邪魔だよ!!」



男の一人が殴りかかってくる。

危ない!



「これ、本気?」


しっかりと、腕を掴んでる。

すごい…。
 


「こ、こいつやべーぞ…!いくぞっ」


男子二人は、逃げていった。


あたしは、立ちすくんでる由宇先輩の方に、かけよった。


「大丈夫ですか?!」  

「あっ!えと…」

「わたし、瀬崎芽衣です…!」

「芽衣ちゃんか!大丈夫だよ。ありがとう!」


よかった…。




そして、助けてくれたある人に駆け寄る。





「美香様〜ありがと〜」


「…遅すぎ。心配したんだからね!」



なんと、さっき助けてくれたのは美香だったのです!


実は、美香は元ヤンで…。

怒るとズゴーく怖いんです…。

あたしが焦ってた理由もわかるでしょ?!



「美香ちゃんっていうんだね、助けてくれてありがとう。」


「いやいや、全然いいですよ」

「でも…」


「「…?」」






「もう、あんな危ないことしないで?女の子なんだから自分を大事にして。お願い。」




「え…?」

「え?じゃないでしょ。返事は〜?」

「はい…?」

「よしっ!」




あれ…

全然ふわふわしてないじゃん…。

カッコイイんだけど…。


こーいう人、やっぱ憧れるなーって感じ。



でも…。




…あ。



先輩、震えてる。

今にも、座り込んでしまいそうなのに、必死に耐えてる。


なんでだろ…?

あたしだったら、泣いちゃうのに…。



「あの…」


あたしは、先輩の手を見る。



「…え?…あ、バレちゃった?…やっぱ怖いね〜おっきい人は」




笑ってる…。


余計、わからない。


どうして強がるんだろう…。


もっと、あたしの予想では、弱々しい感じだったのに。




「強くなりたいんだ〜あたし。」

「え?」

「彼氏を守れるくらい強くなりたいの」


強くなりたい…って?

どーいうこと?

なんでそんな必要があるの…?






…彼氏…。


由宇先輩の顔は、とても清々しくてかっこよかった。


「彼氏…ですか」

「うん。……あ、言っちゃった…もう〜ばか…今の嘘ね!いないよ〜妄想!」

絶対、うそだ…。


…嘘つくのが、苦手なんだ…。


理想とぴったりだ…。

可愛いなぁ。


「先輩、あたし咲輝の幼馴染なんですよ!だから知ってます!付き合ってること!」

「…え?!さきちゃんの?!」

「ふふっ…さきちゃんって…」



そんな可愛い名前で呼ぶのは先輩ぐらいだよ。

なんか、笑っちゃう…。

かーわいい。

女の子みたい〜。

なんて。






「ぴったりでしょ??さきちゃんって、女の子みたいだよね」



こそっと耳元でいう先輩。

あたしは、カッコイイ咲輝しか知らないよ。


苦しいなぁ…。