君の一番になりたい

「あっ!いた!芽衣」


教室に戻ると、咲輝があたしの席に座ってた。

いつものことだけどさ。

やっぱり、気まずくならなくてよかった。


「どーしたの?咲輝」

「どーしたの?じゃねーよ!なんで先行くんだよ〜俺、遅刻したんだけど〜?」

「知らないよ!あたしだって、いろいろあるの〜」


「授業さぼってるやつが、何言ってんだよ〜」

「っ!いいでしょ?!別に!」



普通に話せてる。

これでいいんだ。

幼馴染でいれたら、あたしは幸せ。




「咲輝〜♡あたしとさぼろうよ〜」

「ちょっと!!ずるーい!あたしも!」



ケバい女子がこっちに来る。

やだなぁ。


「ほら!咲輝呼ばれてるよ!いってらっしゃーい」



咲輝の大きい背中を押すと、なんだか泣きそうになった。


「…ばいばい」


女の子の方に笑顔で行く咲輝の後ろ姿を、涙目で見るあたしを誰かが見てくれてるのかな…?

そんな人、いるはずないか…。

あたしは、咲輝しか見てこなかったんだから。


他の人なんて、見させてもらえないくらいカッコイイあたしの幼馴染のせいで。