でも、そんな俺にも、思い通りにうまくいかないことが一つ、できた。

「いつものテンションどうしたんだよ〜ヒロト〜!!」

「今はそういう気分じゃねえ、」

いつもならわりと高めなテンションも今日ばっかりは下がりっぱなしだ。

「原因は…陽葵とけんかか、?」

中学からの親友、悠希は察してくれたらしく、小さな声で尋ねられる。

「…ああ。」

それに小さい声で返事をし、ついさっきけんかしたばかりの彼女の方をちらりと見る。