夢で会いたい



パーティーはつつがなく執り行われた。

お酒も入って、照明に音楽。
変なテンションになった私は由香里さんが白いウエディングドレスで登場しただけで涙が出てしまった。

新郎の久司さんは小柄でぽっちゃりしていて、まあ見た目は全然冴えないのだけど、穏やかな性格ながら仕事をバリバリこなす姿に美しい由香里さんはメロメロなのだ。

いいなあ。
愛のある結婚っていいなあ。
好きな人と結婚できるっていいなあ。

何のためにやるのかわからないケーキカットもキャンドルサービスも、結婚式マジックにかかった頭の興奮に拍車をかける。

「由香里さーん!おめでとうございまーす!」

「こっち向いてください!あ!今手を振ってくれた!」

もはやアイドルに声援を送る気持ちとなんら変わらない。

私はもう何を食べて飲んでいるのかわからないくらいお酒にも雰囲気にも酔っていた。



パーティが終わり、ほとんどの人はぞろぞろと三次会に移動を始めた。
西さんはさすがに裕士君が心配になったらしく、帰るという。

「北村さん、途中まで一緒に帰る?結構フラフラだけど送って行こうか?」

「あ、私ホテルも割と近いので大丈夫ですー。あとトイレに寄ってから帰ります」

「そう?じゃあ気をつけてね。いつでも連絡して」

「はーい。あ、お米めちゃくちゃおいしいので今度送りますね。お疲れさまでしたー」


人の流れをはずれてトイレに駆け込む。
イベントもりだくさんで席をはずすタイミングが掴めなかったのだ。

ちょっと動いたら余計に酔いが回った気がする。
二日酔いで救急車に乗って以来気をつけていたんだけど、幸せオーラにあてられて飲み過ぎちゃったな。