夢で会いたい




これが世の中の主流かどうかは知らないけど、クリスマスに本をプレゼントするという人は意外と多いらしい。
もちろん店としてもそれ向けのコーナーを用意したりはします。
高めの図鑑とか、しかけ絵本とか、いつにも増してとても売れます。

そしてプレゼントを売るということは、ラッピングする必要があるということで、私は川内さんと一緒にひたすら本をラッピングし続けていた。

「あ、できた!今までで一番きれいに包めました!」

「うんうん。上手!その調子でガンガン包んで。眺めてないで、はい次ー!」

「はーい」


今ラッピングしているのは、どこかの企業の忘年会でクリスマスプレゼントを兼ねて配られる本なのだそうだ。
なんでも社長が感銘を受けた本だということで、ざっと70冊!

店頭でこんな大がかりな作業をするわけにいかないので、バックヤードに籠もりきりだった。

川内さんは以前デパートの催事場でお中元なんかを売っていたそうで、ラッピングのスピードと美しさは店内一。
その川内さんから教わってクリスマスに備えて練習は積んできたのだけど、彼女が3冊終わる頃にようやく1冊という情けなさだった。

「あー!もう限界!ごめんね、北村さん。あとお願い」

「はーい。だいぶ上達したから大丈夫です。クリスマス会楽しんでくださいね」


本日は土曜日。クリスマスイブ。
川内さんはお子さんがまだ小学生だから、残業はできないのだ。
それでもギリギリまで手伝ってくれたのだからありがたい。

元々売り上げも上がるしラッピングも多くて忙しい時期。
大量に発注した本がギリギリ今日届いたというのも不運だった。
忘年会は明日だという。