「いただきます」
「いただきまーす」
うん、おいしい。
インスタントでなく鶏ガラでちゃんと出汁を取ったスープは上品でいながらしっかりとしたコクがある。
あー、セリは必須だな。
この苦みがあるから味がしまるんだ。
続けておおぶりのおにぎりにもかぶりつく。
これもおいしい。
〈減塩〉なんて耳が遠いフリして聞き流しましたってくらいしっかり効いた塩としょっぱい鮭。
一人暮らししていた頃はパンや麺類が圧倒的に多かったけど、こっちに来てご飯中心の食生活になったら胃腸の調子がよくなった気がする。
体調がいいとイライラしない。
ご飯って心の安定にもつながるんだな。
特に白米はおいしい。
美弥子さんもそうだけど、ここの人たちは米に関して贅沢だ。
まとめ炊きして保温しっ放しじゃなくて、毎食炊きたてを食べていたりするのだ。
このおにぎりも炊きたてで作ったに違いない。
「お米がおいしいって幸せだね」
無意識に口からこぼれた言葉に、なぜかトモ君が頬を染めた。
「あ、ありがとう」
「私にお礼言われても、作ったのは美弥子さんだよ」
「そうじゃなくて、『おいしい』って言ってくれてありがとう。このお米作ったの僕だから」
「!!」



