夢で会いたい




趣味は若い美弥子さんだけど、生活サイクルはしっかり田舎のお年寄りだ。
朝は早く、夜も早い。

私がアルバイトから帰ってくる頃にはすっかり夕食の用意が整っている。

料理は得意でも苦手でもないけど面倒臭いから、これはとってもありがたい。
「いただきます」の声に、心からの感謝がこもる。


そういうわけで夕方6時を過ぎる頃には、もう寝るのを待つばかりとなる。

食器を洗った後は、交代でお風呂に入る以外ひたすらにお茶を飲み続けるだけ。
東京にいた頃はまだまだ残業中もしくはデートの始まりの時間だったのに。


「今日の地方版トップニュースはすさまじいね。『展示会の搬入が始まりました』だって。『展示会が始まりました』ならまだわかるけど、『展示会の搬入』だよ?どんだけニュースなかったんだろう」

「こういうニュースを見て県民は『今日も平和だったなー』としみじみ幸せを噛みしめるんだよ」

幸せと一緒にお友達の菜穂子さんからもらったお漬け物を噛みしめる美弥子さん。
私も負けじと噛みしめる。

「花の見ごろと園児のイベントには記者も助けられてるだろうね」

毎日の地方ニュースは大体がそんな内容で構成されている。

「暗い話題だとビックリするから、癒しが必要なの」

「犯罪が起こると捕まらないもんねー。警察もめったにないことだから腕がなまっちゃうのかな?」

相づち代わりにお漬け物をポリポリ言わせながら、ひたすらのんびりした地方版ニュースを見続ける。