花ちゃんは今日も頼くんの言いなり



「ひっそり、食べて欲しい」

「……俺にもあげたって、涼に思われんのイヤなんだ?」


ズルい。
私、今すごいズルいお願いしたな。


涼くんを想って作ったなんて言っておいて、頼くんにもあげてるなんてカッコつかないって言うか。


涼くんは特別だって気づいて欲しいって言うか。変に誤解されたくないって言うか。


……私の、わがままなんだけど。


コクリ、小さく頷いて目を泳がせる私に、頼くんは「ふぅん」なんて関心なさげに呟く。



「ごめんね?……お願いします!」

「ま、いいけど。その代わり、学レクのお礼はクッキーよりこっちがいい」

「へ……?」



もはや私と頼くんのことなんて眼中にない様子の航をよそに、頼くんは、ズイッと私との距離を詰めた。


そして、私の顎をクイッと簡単に持ち上げて、そのまま親指で私の唇をツーッとなぞる。


え?お礼って……も、ももももしかして


キ、キスしろってこと!!?

いや、それはちょっと……!!
ちょっとじゃないな、かなり無理!!