「航がいつも"花がうるせぇ"とか"花が太った"とか言ってっから……嫌でも覚えた」
「全部悪口!!」
あの野郎、覚えとけ!!!
後で鼻にプリッツ刺してやる!!!
両鼻合わせて30本は刺してやる!!
「初めに言っとくけど、」
「なに?」
航への怒りで震える私に頼くんは淡々と続ける。
「俺、優しくないから」
「え…?」
「俺が花に振り回されるか、花が俺に振り回されるか。俺が泣くか、花が泣くか。俺としては……2人で笑えるのが理想だけど」
「ちょ、頼くん待って、……どう言うこと?」
少しだけ切なげに細められた頼くんの瞳から、目を逸らせないまま聞き返したと同時に
────ガチャ
「あ〜〜!!スッキリした!!!!」
静かだった部屋が、一瞬でうるささを取り戻した。
「……航、」
部屋へと入ってきた航は、私を見るなり「お、差し入れ?」なんてルンルンで私の手から袋ごとかっさらって、
「なに2人して固まってんの?」
空気なんて一切読む気がないらしい。
「別に」
「そ?ならいいけど」


