私の髪が短くなったって、涼くんは気にも止めないだろう。気づいてくれたところで「短くしたんだ〜」程度だと思う。



だけど、本当のことを言えば、


どんどん長くなる髪と、変わらない涼くんとの関係に少し嫌気がさしてた頃だったのも事実で、

誰かに「切ったら?」って言ってほしいって思ってる自分も確かにいたし、ここまで頑張って伸ばした髪を簡単に切りたくないって思ってる自分もいる。


これは、いい機会なのかもしれない。
頼くんは私をきっと、良い方向へと導いてくれる人だって信じてる。


だから、


「……切ろうかな、髪」


自分の髪の毛先を指でクルンと遊びながら呟いた私の言葉に、頼くんは大きく目を見開いた。

「……本気?」

なんでそんなに驚くの?頼くんが言ったんじゃんか。『髪は短くイメチェンすべし』って。