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あれからしばらくして学年レクはお開きになり、「送ってく」と言う頼くんに「大丈夫だよ」をくりかえした私を無視して、頼くんは歩き出した。
家までの慣れた道のり。隣に頼くんがいる不思議。
それだけで、何だかくすぐったい気持ちになるのは……どうしてだろう?
「今日はありがとうね」
「別に」
「頼くんって冷たそうに見えて、実はそうでもないよね」
「何だそれ。褒めるか貶すかどっちかにしろよ」
私の言葉に、明らかに少しムッとした頼くんが可愛くて思わずフフッと声が漏れた。
「頼くんは優しい」
今回の学年レクと言う短い時間の中で、こんなにも頼くんの優しさを実感させられることになるなんて正直思ってもみなかった。
「だから、俺は優しくねぇって」
素直な私の言葉を、やっぱり素直に受け取らない頼くん。照れ隠し?それとも意地っ張り?
素直じゃないところも可愛いなぁ……なんて、航に対してよく思うことと同じことを頼くんに対して思ってしまうのは、
やっぱり私が頼くんを弟みたいに可愛がっている証拠だと思うんだ。


