───ギィッ
真っ暗な校舎の中を、頼くんが持っているたった1つの懐中電灯だけを頼りに進んできた私たちは、
空き教室から突然出てきた白い手や、後ろから不気味に笑いながら私の肩を叩いた血(糊)まみれのワンピース女や、音楽室から聴こえる謎のピアノの音に絶叫しながら……
(もちろん、絶叫したのは私だけですが何か?)
やっと辿り着いた体育館の、少し錆びたドアを力いっぱい開けた。
「……うわ、明るっ……」
体育館の中は照明が全開で、暗闇に慣れきっていた私はいきなりの明るさに思わず両手で顔を隠した。
「吸血鬼かよ」
そんな私を見て、小馬鹿にしたようにクスッと笑った頼くんはスタスタと中に入って行ってしまう。
「あ、待って……!」
「さっさと終わらせて早く戻ろうぜ」
「うん」
頼くんのあとを駆け足で追いかければ、体育館の中央で待機していたらしい学年レクの実行委員が3人、何やら赤い箱を持って立っているのが見えた。
「ようこそ、最後の難関へ」
ニヤリと笑った実行委員の倉本くんは、私たちに向かってそう呟くと、続けて説明を始めた。


