────ギュッ
「っ!?」
「とりあえず、体育館まで行くぞ。そこにお題の紙があって、クリア出来たら赤札もらえるらしい」
いきなり私の手をギュッと握りしめた頼くんに、トクントクンと心臓は加速を始める。ただでさえ、肝試し中でドキドキしているのに、これ以上私の心臓をビックリさせないで欲しい。
「あ、赤札って?」
動揺していることを悟られまいと平静を装ってみたものの、声が上ずってしまい、
「なに意識してんの?」
なんて、一瞬で意地悪な頼くんがこんばんは。
「仕方ないじゃん。男の子と手つなぐのなんて、幼稚園ぶりくらいなんだもん……」
今まで生きてきて、彼氏なんていたことないし。手をつなぐような場面にも遭遇しなかった。
だから今、頼くんと手をつないでる状況は、私から言わせてもらえばとんでもないハプニングだ。
まぁ、こうでもしないと先に進まないし、後から来る組に追い越されちゃうかもしれない……。これもまた頼くんの優しさなんだろう。
そう思うからこそ、ギュッと握れた手を振り払う気はもちろんないし、むしろ頼くんの手から伝わる体温になんだか少しホッとしている自分がいる。


