「へぇ、涼のヤツそんなこと言ったんだ。で、ドタキャン?」
「最悪だな」って呟いた頼くんの声は、さっきより少しだけ冷たい気がした。
「仕方ないよ。涼くん人気者だもん。バイト先にも頼られてるんだうな。……でも、頼くんが来てくれて本当に良かったぁ」
「別に、俺が来なくてもさっきみたいに誰かしら一緒に回ってくれたんじゃねぇの?」
「それはそうかもしれないけど。でも、怖いのが苦手な私のペースに合わせてくれる優しい頼くんと一緒だから、私は今頑張れてるんだよ!」
きっと……。ううん、絶対。
指原くんと一緒に回っていたら、指原くんは『ノリで楽しもうぜ〜!!』なんて言って、私のペースは無視で突き進んだことだろう。
それが、普段の指原くんを思い返すと安易に想像出来るからこそ、今こうして頼くんが隣にいてくれて、何より私のペースに合わせて進んでくれることが、この上なく嬉しいってこと、
「俺、優しくねぇよ」
頼くんは全然分かってない。


