*****
「花」
「……うぅ〜、あぁ〜」
「おいって、」
────ガタッ
「ヒィッ!!!!」
あれから30分もしないうちに、私と頼くんの番はやって来た。
……やって来てしまった。
「ったく、ただ風で窓ガラスが揺れただけだろ」
「だって、真っ暗で何も見えないし、色んなところに仕掛けがあるって聞いたし……何より学校の雰囲気がもう……本当にやだ〜」
あれだけ頼くんに迷惑をかけないことを第一に…と思っていたくせに、一歩校内に足を踏み入れたあとの私はずーっとこの調子で、一向に先に進まない。
「はぁ。そんな怖いなら何で学年レク参加したんだよ」
半ば呆れた様子の頼くんに、申し訳ない気持ちでいっぱいの私は小さな声でボソッと答える。
「……だ、だって……。涼くんが夜の校舎デート、しようって言ってくれたから」
涼くんの代打で来てくれた頼くんには悪いけど、私がこんなにも苦手な肝試しに参加しようと決心したのは、何を隠そう涼くんとペアになれたから。
本当のことを言えば、涼くんに声をかけられるまでは、シレッと学年レクは断るつもりでいた。
だって、本当に苦手だから。


