それもこれも、頼くんが全然来てくれないから悪いんだからね!……なんて、心の中で頼くんを責めつつ、

「で、三津谷どーする?」


ブサイクに答えを迫られ、私の頭はついに思考を停止した。断っても断らなくても、色々としんどい。


「えっと〜……」


なんと答えるべきかと悩みながらも、なんとか言葉を紡ごうと口を開いた瞬間、


───グイッ

突然、後ろから強い力で引き寄せられバランスを崩した私を、


「すいません、コイツ俺と回るんで大丈夫です」



声の主はいとも簡単に抱きとめた。


触れている部分から体温が伝わって、耳元で聞こえる電話口とはまた少し違った声に、私の心臓がドキッと大きく跳ねた。