私の好きになった人は、”好きな人”の”弟”で。
私と好きな人を応援してくれる、
恋のキューピットで。
犬系男子に見せかけた猫系男子って言う
ちょっとした詐欺師で。
どこまでも底なしの意地悪なのに、
それ以上の優しさを簡単に与えてくれて。
年下のくせに、時々大人っぽい顔で
私のことをあざとく誘惑してきて。
命令されてるわけじゃないのに、
私の中で頼くんの言うことはどこか絶対で。
「2度と離さないってのは、つまり」
───プロポーズ!?
喉まで出かけたその言葉は、私を見つめる真剣な頼くんの瞳に吸い込まれて消えていく。
「もう俺以外じゃ満たされないってくらい溺愛して、俺なしじゃ生きていけない体にしてやるよ」
「な、ちょ!?……よ、頼くん!ち、近っ」
「だからこの先の花の全部、俺にちょうだい」
”ダメ?”なんて、あざとく首を傾げて見せる頼くんは、私が"ダメ"なんて言えるはずないことを確信している確信犯で。
「だ、……っダメじゃ、ない」
「ん、知ってる」
「もぅ〜〜!!」
そんな頼くんのことが大好きで仕方ない私は、今日も今日とて、頼くんの言いなり。
【完】