「……ふぅん。ま、あれだ。花が妬くようなことはこの先きっとないだろうし。俺がヤキモキさせられ続ける運命なのも目に見えてるけど」


「……?」


「もし億が一、俺が花にヤキモチ妬かせるような失態をやらかしたとして。花に口聞いてもらえなくなったその時は」



不敵な笑顔を浮かべて、玄関のドアに私を追い込む頼くん。背中にひんやりとドアの冷たさを感じる。


「えっ!ちょ、頼くん……?」


「言葉以外の方法で会話することにする」


「んんっ……!」



頼くんの言葉を理解するより早く塞がれた唇。
さっきより深いキスに、思考回路が奪われていく。


酸素を求める私に、”まだあげない”って言ってる頼くんの声が聞こえた気がしてくるくらい、意地悪モードの頼くんにすっかり溺れているらしい。



「は、ぁ……」



やっと唇が離れて、ムッと頼くんを見上げる。



「だから、それじゃ俺を煽るだけなのに。それとも、もっと欲しいわけ?案外、花ってば欲張りだな」


「よ、頼くんのバカ!!変態!!」


「なんとでも言えば。どうせ……もう二度と離してやんないから」