「……俺の前以外でその顔したら、泣くまでいじめてやる」


「なにそれ……」


「これからは俺のモノだってこと、ちゃんと自覚して過ごすこと。俺、独占欲強いから。あんま妬かせると、大変なのは花だってことも、覚えとくといいんじゃない?」


「〜〜っ、わ、私だってヤキモチ妬くし。そしたら拗ねるよ。口聞いてあげないよ」


「ハッ、やば。バカみてぇに可愛い」


「もう!なんで頼くんばっかり余裕そうなの?私、本気で言ってるんだからね?」



プクッと膨れて、頼くんの腕から逃げ出す。
さっきから私ばっかりいじめられすぎだと思う。


そんな私を見つめながら、それでも楽しそうに笑ってる頼くんを恨めしく思いながら、


……私たち、両思いなんだって。

頼くんは、私の彼氏で。
私は頼くんの彼女なんだって。


そんな喜びが今頃になって込み上げてきて、嬉しくて口元がニヤニヤしてしまう。



「そんなニヤニヤしながら言われてもな?」


「ち、違っ!……だって、頼くんの彼女になれたなんて……嬉しいんだもん」


頼くんは、私の事なんてなんとも思ってないんだとばっかり思ってたから。