「好きだよ、花が。ずっと前から、花のことしか見えなくなるくらい。……ズルい男になってでも、花に振り向いて欲しかった」
「……っ、」
感じる頼くんの熱、どんどん上がる私の体温。
頼くん家の玄関で、抱きしめ合う私と頼くんの距離はゼロセンチ。
ドキドキと高鳴る鼓動はふたり分。
「……花」
「は、はい」
少し体を離して目と目が合う。
恥ずかしくて逸らしてしまいそうになるのを必死に堪えて、見上げた大好きな頼くんは、ギュッと一度下唇を噛んだ後、
「俺の彼女になって。もう、他の男のことなんて目に入らないくらい、俺に花を溺愛させて」
「……とっくに、頼くんしか見えてないよ!取り柄なんてないし、鈍臭いし、頼くんより年上だし、私を選んでもらえるような要素なんて、何一つないけど。それでも、一番になりたい。頼くんを他の子に取られたくない」
目を見て、自分の中に溢れてくる感情を全部ぶつける。頼くんは、そんな私にフッと優しく笑って、また軽く引き寄せるから
「私を、頼くんの彼女にして下さい」
また2人の距離がゼロになる。


