花ちゃんは今日も頼くんの言いなり



「髪短い方が好きなのは、俺。……なのに、涼が花の髪型褒めてんの聞いて妬いた」


「え?」


髪の毛を梳く頼くんの指に、ゾクッと身震いする。そんな私を、頼くんがフッと笑う気配がした。



「よ、頼くん……!?あの、」


「まだ俺のターンだから」


「え?」


「この際だから全部言っとこうと思って」


「全部……?」


頼くんの家に着いたばかりの時は、どことなく不機嫌だったはずの頼くんが、今はもうすっかりいつもの調子で……。


全然状況に頭が追いつかない私になんてお構いなしに続ける。



「花と涼を遠ざけるつもりが全部裏目に出て、どんどん近づいてく涼と花の距離に本当はずっと焦ってた。知らないうちに涼とハチマキ交換とかしてるし、涼の匂いに染められてるし。思い出しただけでムカつく……って、ガキ丸出し……まじでやだ」


余裕そうに見えたと思ったら、急に余裕なくなって。感情が忙しい頼くんを、可愛いなんて言ったら、きっとすごく怒るんだろうな……。


「最初はただの友達の姉ちゃんだったのに、学校でも見かけるたび目で追って、気付いたら……探してる自分がいた」