頼くんが、わざわざ涼くんのタイプとは正反対を私に教える理由がわからないとばかりにキョトン、と頼くんを見つめれば、
「鈍いにもほどがあるんだよ、バカ花」
───ギュッ
突然、腰を引き寄せられ、気づけば頼くんの腕の中にいた。ビックリして逃げるように身をよじれば、私の肩口に顔を埋めた頼くんにより一層強く抱きしめられた。
「よ、頼くん……!?」
「涼に振られてどん底まで落ちたら、花は絶対、無防備に俺の前で泣くのが目に見えてるし。そしたら、ズルい俺はこうやって花を優しく抱きしめて……」
そこまで言って、肩口から顔を上げた頼くんが私の顔を覗き込む。
「……っ!」
───それから、
どちらかが少しでも動いたら、唇が触れてしまいそうなほどの距離から私を見下ろして、
「素直に花が好きだって、伝えるつもりだったのに」
「っ……!?」
そんな私にとって夢みたいな言葉を、ひどく甘ったるい声で囁いた。


