なんて言うか、頼くんママって、すごい……感情が大忙しな可愛らしい人だな。

逆に頼くんパパは、雰囲気も見た目も、ぜーんぶ頼くんにそっくり。

涼くんはママ似なんだな、きっと。


「あ!頼くんは2階の部屋にいるからゆっくりしていってね!これから出かけなくちゃ行けない用事があって、今日はおもてなしも出来なくてごめんなさい!……また来てね。えっと、お名前は?」


「え……あ、三津谷 花です」


「花ちゃん!また会いましょうね」



”それじゃ”と、私に笑いかけて慌ただしく車に乗り込む頼くんママ。その後を続いて私に小さく笑いかけて、軽く会釈だけすると頼くんパパも運転席へと乗り込んだ。



……な、なんか嵐が去ったあとの気分。



てか、2階の部屋にいるからゆっくりしてって……って、勝手に入っていいってこと?

いや、さすがにそれは気が引けるんですが。


開いたままの玄関。見える階段。
あの階段を登れば、すぐそこに頼くんがいる。


あー、やばい。
またドキドキしてきちゃった。