「欲しいもの……?」
「そう。母親に”ショートケーキと、モンブランどっちがいい?”って聞かれて、本当はショートケーキが食いたいくせに、俺の答えを待ってから、俺が選ばなかった方をさも”俺はこれが食べたかった”みたいな顔して食べたり」
「ショートケーキ……」
「クリスマスプレゼントに、じぃちゃんが2人で遊べるテレビゲームを買ってくれるって話になった時も、頼は自分の欲しいゲームを最後まで口にしなくて。”涼が決めたヤツでいいよ”って、結局俺が欲しかった流行りのゲームに決まったり」
「……流行りのゲーム」
「フッ、くだらないだろ?」
そう言いって笑った涼くんに、小さく首を振る。
「その上、頼のタチの悪いところは、欲しいって素直に言えないくせに顔には出るタイプなところ」
「顔に出る?」
「あー、頼もショートケーキ食べたいんだろうなって、見てすぐ分かるくらい。昔から頼の欲しいものは顔を見れば何となく分かった」
”多分、頼はそんなつもりないんだろうけど”
そう付け足して、口角をあげた涼くん。


