花ちゃんは今日も頼くんの言いなり



「でも、涼くんに恋してた自分がいるのも、本当で……あの時の私は、涼くんに振り向いて欲しくて一生懸命だった」


その気持ちに、嘘はないんだ。
たとえその”好き”が、仮に”憧れ”だったんだとしても、私の初恋に変わりはないから。


「うん。……ありがとう。でもそっか〜、分かってたけど、改めて頼が好きだって言われるとすげぇ悔しい」


「え……!?わ、分かってたの!?」


「むしろ、三津谷に早いとこ頼とくっついてもらおうと思って、背中押しに来たつもりだったのに。……三津谷といるの、居心地よすぎて、もう少しって、つい欲張りになった」


「……っ、」



天然涼くんと、人工涼くんの真ん中くらいで、なんとも言えない寂しそうな顔をする涼くんに、つい言葉を詰まらせる。


「昔から、アイツって素直じゃなくて」


「アイツって……頼くん?」


「ん。変に俺に遠慮するっつーか、無駄な争いごとは避けたいタイプっつーか。欲しいものを欲しいって言えない性格」



昔を懐かしむような口ぶりで、頼くんのことを話す涼くんは、天然とも人工とも違うお兄ちゃんの顔をしていた。