そんな私の言葉に涼くんは一瞬、面食らった顔をして、それでもすぐにフッと小さく笑った。
あぁ、もう完全にミス。
”美味しいね”なんて、間違いなく今繰り出す話題じゃない。緊張して頭は働かないし、だけど涼くん相手に無言ってのも落ち着かないし。
ただゆっくり流れる涼くんとの時間に、どうしたらいいのか……分からない。
きっと、今私は百面相してることだろう。
あれこれと短時間に色々考えて、答えなんてない迷路にまんまと迷い込んだ気分。
「……ほんと、三津谷って可愛い」
「かっ!?か、可愛くないよ!なんでそうなるの」
「俺とカフェに2人で向かい合ってお茶すんの、そんな緊張する?」
「……そ、そりゃするよ。女子から人気があって、いつもみんなの中心にいる涼くんと、私なんかがこうして2人でお茶してるなんて」
チラリと盗み見るように顔を上げれば、相変わらず涼くんの視線は私に注がれていて。
「女子から人気がある、か。じゃあ、三津谷は?」
「え?……私?」
「三津谷は俺のこと、どう思ってる?」
予期せぬ質問に、目を逸らすタイミングを見失ってしまった私は、そのまま涼くんと見つめ合う。


