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デートじゃない。
デートじゃない。
そう自分に言い聞かせて、待ち合わせ場所までやって来たのが3時間前。
緊張でいっぱいの私とは反対に、いつも通り穏やかな涼くんは、いとも簡単に私を自分のペースに引きずり込んだ。
楽しく遊びに繰り出すつもりなんて、サラサラなかったのに、目の前に映画の前売り券を差し出されて断ることができず……。
「さすが、今1番売れてる映画だけあって、面白かったね。ラストもハッピーエンドでスッキリした」
「うん、感動したね。まさか涼くんがラブストーリーを選ぶとは思ってなかったけど」
「そう?俺、結構好きだよ。恋愛モノ」
「へぇ、意外。涼くんはアクションとか観るんだと思ってた」
結局、涼くんの隣で最新ラブストーリーが上映されるスクリーンに夢中になってしまった。
「まぁ、頼なら観ないかも。アクションとかホラーとか、デート向けじゃないもの選ぶだろうな」
「……っ、確かに。頼くんは、ラブストーリーなんて寒気がするって言いそうだね」
突然の頼くんネタに、ほんの少し肩が揺れた。


