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「わー、賑わってるね〜」
「……相変わらず、すごい人気」
美和子ちゃんと私が見つめる先には、女の子5、6人に囲まれて少しだけ困ったように笑う涼くん。
「ね!涼くん、私とペア組もう?」
「だめだよ、私が先に誘ったんだから〜!」
キーキーと声を荒らげて我先にと涼くんの腕へ手を伸ばすクラスの女子達を、私はまたしても遠くからぼんやり見つめているだけ。
「いいの?花は行かなくて」
美和子ちゃんが隣で私にボソッと呟いたけれど、私はそれに応える元気もなく、ただボーッと涼くんと女の子たちの戯れを眺めている。
「じゃあさ、」
今まで困った顔して笑ってるだけだった涼くんが、突然思いついたように口を開いて、騒がしかった教室が静けさを取り戻す。
「俺が指名する、ってのはどう?公平じゃない?」
ニコッと笑顔を絶やさない涼くんに、女子達の顔はパァッと明るくなって『涼くんに選ばれたら失神するかも!』『私は昇天する〜!』『死んでもいい〜!』なんて口々にキャッキャとはしゃぎ始めてしまった。
いいなぁ。
私も涼くんとペア組みたい。


