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「なに緊張してんの?」
「ジュースでいい?」なんて言いながら、コップに注がれたオレンジジュースを手渡す頼くんに、小さく「ありがとう」と呟いてそれを受け取る。
結局、頼くんと勉強することに決めたのは良いけれど、いざこうして頼くんの部屋に頼くんと2人だけで向かい合っている今……
なぜか、”口から心臓が飛び出しそう”という言葉の意味を身を持って知ることになった。
「だ、だって……!そりゃ、緊張するよ」
「へぇ?なんで?」
な、なんでって……なんでだろう。
昨日の夜は比較的ぐっすり眠れたし、朝起きて準備をしている時も、どちらかと言えば「勉強はかどるといいな〜」くらいの軽い気持ちだった。
だけど、どんどん頼くんの家が近づくに連れて、自分の意志とは関係なしに心臓が暴れ始めて。
頼くん家のインターホンを鳴らす指は、もう既に少しだけ震えていたように思う。
頼くんの家には、前に1度だけ来たことがある。でも、その時は涼くんの部屋でクラスメイト数人が集まっての勉強会だったわけで……。


