分かるのは、私の心臓がやけにバクバクうるさいことと、私を見下ろす頼くんが、いつもより大人っぽく見えること。
「俺以外の男と部屋で2人になるの禁止な」
「……え、」
「警戒心の欠片もない花が、男と部屋に2人っきりになったらどうなると思う?」
「ど、どうなるって……」
「こうして簡単に押し倒されて、こうやって簡単に触られて」
言いながら頼くんの指が私の鎖骨あたりを撫でるから、くすぐったさにビクッ身体が反応する。
「ほら、そんな顔して煽る」
「頼く、」
名前を呼ぼうとした口を、押し倒されたまま私にグッと近づいた頼くんの顔に驚いて無意識でギュッと結んだ。
「……マジ、勘弁して。その顔で名前呼ぶの、反則だから」
「ど、どの顔……でしょう」
その顔、と言われても自分じゃ自分の顔なんて見えないし。意識して作った顔でもないから、無意識でしてしまうかもしれない。
……頼くんにとって、見るに耐えないほど醜い顔?それは、自分的にもぜひ封印したいものだ。
「……あー、ったく。花がバカすぎて嫌になる」


