ドアを開ければ、テーブルの前に座ってテレビを観ていた頼くんがチラッと顔を上げた。
「おっす」
「……ん」
なんて言ったらいいのか分からなくて、軽く手を上げてぎこちない挨拶を繰り出す私に、頼くんは短く答えてまたテレビへと視線を戻してしまう。
……え、それだけ?
もっと、他にないの?
「あ、ごめんね。航……借りちゃって」
「別にいいよ。どうせアイツするする詐欺で勉強しねぇもん」
「そうなの?」
「だから、今日も結局だべってるだけ」
まぁ、確かに。私の弟なんだもん、言われてみればそりゃそうだ。
勉強なんて大嫌いで、昔から宿題そっちのけで外に遊びに行ってたし。夏休みなんか最終日まで焦って泣きながら宿題やってたっけ。
そんな航が、高校生になったからって勉強をするようになるわけがない。
「そっか。頼くんは?テスト勉強しなくていいの?」
「今回の範囲は授業聞いてたら余裕で出来る範囲だし、勉強する程でもない」
「……も、もしかして頼くん、頭いい!?」
「さぁ?航よりはできるよ」
いや、それはそうだろうけどさ!!


