「そ、それはそうかもしれないけど……」


「そんな涼が、勇気をだして花と交換したハチマキが、次に見た時には紅い色に変わってたら。どうなると思う?」



ど、どうなるって……どうなるんだろう?



「怒らないかな。せっかく涼くんと交換したのに勝手に紅いハチマキになってたら」

「怒るだろうな。でも、その怒りは花に対してじゃない。紅いハチマキを花に持たせた相手に対してだ」




あぁ。

やっぱり、頼くんの言葉は難しい。
ちっとも分からない。


つまり、頼くんが言いたいのは?



「……あの、もっと分かりやすく」



立っていることに疲れて、頼くんの隣に同じくしゃがみ込めば、思いのほか近い距離に驚いて仰け反る。



そんな私の背中に腕を回して、軽々支えてくれた頼くんに不覚にもキュンと心臓が疼いた。


慌てて首を振る。


な、なに!?
今のキュンって!!しっかりしろ、自分!!



「ったく、相変わらずバカだな、花は」

「ば、バカって……」

「だから、俺が言いたいのは涼に嫉妬させろってこと。俺のハチマキを花がしてるって気付いたら、涼どんな顔すると思う?」