1走目の選手達がタイヤを引っ張り終えて、必死に網をくぐり抜けて行く中、楽し気な美和子ちゃんの言葉に少し考える。
顔……は、言われたら確かにどことなくは似てるけど。言われなかったらきっと、兄弟だって分からないと思う。
声は、涼くんの方が低くて、だけど好青年感増し増し。頼くんは基本的に意地悪で不機嫌な響きをしてるから。
「顔も、声も、匂いも違うかな」
そりゃ、違う人間だもん。
同じなはずがないんだけど。
「へぇ、匂いも違うんだ!」
「うん、涼くんは爽やかだけど、最後に甘いバニラが鼻に残る香水で、頼くんはほんのり甘いシトラス系の匂い。多分、制汗剤」
「そんなの嗅ぎ分けるなんて、犬並みの嗅覚だね」
うっ、
自分で聞いておきながら、やや引き気味の美和子ちゃんに苦笑いを浮かべれば、
「航くんは、たまに花と同じ匂いがするよ。多分家の匂いなんだろうね」
そんなことを言われて、思わず眉間にシワがよる。
知らず知らずのうちに航と同じ匂いを放ってるとか、ちょっと嫌なんですけど!?
顔……は、言われたら確かにどことなくは似てるけど。言われなかったらきっと、兄弟だって分からないと思う。
声は、涼くんの方が低くて、だけど好青年感増し増し。頼くんは基本的に意地悪で不機嫌な響きをしてるから。
「顔も、声も、匂いも違うかな」
そりゃ、違う人間だもん。
同じなはずがないんだけど。
「へぇ、匂いも違うんだ!」
「うん、涼くんは爽やかだけど、最後に甘いバニラが鼻に残る香水で、頼くんはほんのり甘いシトラス系の匂い。多分、制汗剤」
「そんなの嗅ぎ分けるなんて、犬並みの嗅覚だね」
うっ、
自分で聞いておきながら、やや引き気味の美和子ちゃんに苦笑いを浮かべれば、
「航くんは、たまに花と同じ匂いがするよ。多分家の匂いなんだろうね」
そんなことを言われて、思わず眉間にシワがよる。
知らず知らずのうちに航と同じ匂いを放ってるとか、ちょっと嫌なんですけど!?


