私はその声に敏感に反応して、勝手に目が頼くんの姿を探し始める。
───あ、いた!
航よりも3列前に並ぶ頼くんを見つけて、不思議と嬉しい気持ちが湧いてくる。
頼くんも借り物競争に出るんだ。
意外。
あの頼くんがバッドでグルグル回ったり、砂袋に入ってぴょんぴょん跳ねたり、三輪車をこいだりするなんて想像がつかな過ぎて。
てっきり、スマートにリレーのアンカーとかやっちゃうんだと思ってた。
頼くんはどんなお題を引き当てるんだろ。
航と違って、案外楽勝なお題を引き当てて悠々とゴールしちゃいそうだな。
「五十嵐弟って、航と仲良いんだっけ?」
「うん、親友なんだって」
「へぇ〜、じゃあ花んちにもよく出入りしてんの?」
「んー?まぁ、よく遊びに来るかなぁ」
そんな会話の最中、パーンッと空高撃ち放たれたピストルの音に第1走目がスタートする。
頼くんは3走目、航は6走目だ。
「それってさ、どんな感じ?」
「え?どんな感じって?」
「だって、好きな人の弟なわけでしょ?少なからず声とか、顔とか、匂いとか?似てないもん?」


