「あ、いた!航くん!!」
応援の最前列にやっとの思いでたどり着いて、借り物競争の選手達がスタンバってる場所から楽々と航を見つけた美和子ちゃんが興奮気味に指を指した。
「美和子ちゃん、見つけるの早いね」
さすが、と付け足して美和子ちゃんの指さす方へと視線を向ける。
ハーパンに半袖、頭には紅いハチマキ。
やる気満々って感じで準備体操なんかしちゃって。
今朝、家を出る前にお母さんが『紅組と白組なんて、応援するのに困るわ』って言ってたのを思い出す。
それに対してお父さんは『別に組なんてどうでもいいんだよ。花と航を応援すれば』なんて言ってたことも漏れなく思い出した。
そうだ。
組なんて関係無しに、応援したい人を応援すればいい。
航!頑張れ!
心の中で声を大にして叫ぶ。
実際に声に出したら、私が航の姉だって知らないみんなには変な目で見られそうだし、
知ってるみんなにはブラコンって思われそうだから、あくまでも心の中で。
「あれ、五十嵐弟じゃん?」
「え?どこ?」
航を見ていたはずの美和子ちゃんが、航から視線をズラして、航より少し先を指さす。


