「……ダメ、かな?」
ダメ?
ダメなわけがない!!!
だって、涼くんが言ってくれなくても、きっと私が同じことを言ってたんだから。
なんて言ったらいいのか分からなくて、だけど伝わって欲しくて。必死で首を横に振る。
ダメじゃないよ!!!って。
誰とも交換してないよって。
「……っ、よかった。じゃあこっち来て。付けてあげる」
「え!……あ、いや!自分で巻ける」
ハチマキを握ったままの右手で、軽く私の腕を引いて自分へと近づければ、向き合ったままの状態でふわっと私の頭にハチマキを巻き始める。
涼くんのほんのりバニラが残る甘くて優しい匂いがして、20センチ先にある涼くんの顔にドキドキが隠せない。
「俺が付けたいの」
そんな言葉が耳に届いた頃には、恥ずかしさからすっかり俯いてしまっていた。
やっぱり涼くんはド天然で鈍感で、私を簡単に惑わせてドキドキさせて、サラッと勘違いしそうになるセリフを吐く。
……涼くんからハチマキ交換しようって言われて、今の私、完全に舞い上がってる。もしかしたらって自惚れてる。
これじゃ、頼くんに怒られちゃうな。


