花ちゃんは今日も頼くんの言いなり


階段を駆け下りて、恐る恐る近づくけど。
モアイの圧もあって、中々涼くんに声をかけることができないまま。


そうこうしているうちに、ゾロゾロと校内からグラウンドへと人が流れ出した。



「よーし、もういいぞ!助かった。お前らも早く並べ〜」



「行進始まるぞ〜」なんて高らかに声をあげて、我先にと走り去っていくモアイ。


あぁ、もう行進始まっちゃうよ。
……やっぱり諦めて私も並ぼうかな。


美和子ちゃんには意気地無し!って怒られる気しかしないけど、そうだ、私は意気地無しだ……開き直ることにしよう。


完全に諦めモードに突入して、

くるりと向きを変えた私は、行進のスタート位置へと歩き出した。


だけど、


「待って、三津谷!」


3歩ほど歩いたところで、後ろから誰かが駆け寄ってくるような足音と、よく知る声に呼ばれてほぼ無意識的に後ろを振り向いた。



そこには少しだけ乱れた息を整えるように呼吸を繰り返す涼くんがいて、


さっき見た時は頭に巻かれていたはずの白いハチマキは、なぜか涼くんの右手に握りしめられている。