花ちゃんは今日も頼くんの言いなり



階段を駆け下りて、生徒玄関を抜けて、グラウンドへと向かってひたすら走る。


広いグラウンドを階段の上から見渡せば、人はありんこより少し大きいくらいの大きさにしか見えなて。

この中から涼くんを探すの?と途方に暮れる。


───ピンポンパンポーン

「校内にいる生徒はグラウンドに集合して下さい」


同時に校内放送が鳴り響いて、いよいよ残された時間は残り僅か。


涼くん……ど、どこ……?


あちこちから聞こえる声が、混じりあってもはや雑音と化す中、ケラケラと楽しそうに笑う声や、流れるBGM、何やら準備をしながらあーでもない、こーでもないと飛び交う学年主任モアイの指示。


……ん、準備?


そうだ。

涼くん、体育委員だからって準備に駆り出されたって言ってたっけ。


ってことは、涼くんがいるのはきっと、この辺りなはず。


グラウンド向かって右側に、集まって準備作業中らしい体育委員の群れ。


その中から、さらに涼くんを探す。


………いた!!



大好きな背中を見つけてトクンと心臓が跳ねる。どうしよう……仕事中だけど、チャンスは今しかない。