夜が明けた。 男の子は、ゆっくりと狐のお面をとる。 スッキリとした端正な面が露わになった。 彼女はいってしまった。 花のような人だった。 ここに一輪咲いている、花のような人だった。 その花の横に静かに立っている墓標に、狐のお面をそっと添え、 男の子は手を合わせた。 雫が一筋、頬を伝う。 森は、朝日を浴び、息吹く。 夏の盛りであっても、静謐だった。